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花小金井動物病院様 取材レポート

今回は東京都小平市にある「動物歯科クリニック花小金井動物病院」の林一彦院長に取材インタビューをさせていただきました。林院長はイギリス留学時に、イギリスの教育システムに影響を受け、帰国した後、大学に新設された動物歯科センターで臨床を行いながら、動物歯科の研究に従事し、2013年に花小金井動物病院を開設されました。

イギリス留学当時に受けた影響は何でしょうか?

イギリスの教育システムは日本と違い、医学部に医学科、歯学科、獣医学科が一緒に入っており、とても衝撃的でした。医学として総合的・多角的に対処できるという事が優れていると思いました。さらに、イギリスでは「ハズバンダリートレーニング」という、動物の健康管理・治療のために、動物が自主的に移動したり、口を開けたり閉めたりする行動を訓練する「しつけ」をすでに行っていました。今は、日本国内の動物園や水族館でも広く行われるようになりました。そのハズバンダリートレーニングを導入して診療の際に動物に接することで、極力麻酔をかけずに治療をすることができます。当院でもハズバンダリートレーニングを推奨しており、できるだけ麻酔をかけなくても動物が暴れたりせずに治療できるよう、歯みがきを通して、ご自宅でもそのトレーニングをしていただくよう患者様に指導させていただいています。

動物に関する歯の予防をどう思っていらっしゃいますか?

麻酔をかけずに予防をしていくという信念を持っていなければ、予防はできません。世間では、歯石は病気になる原因だと思われていますが、私はそれとは少し違う考えを持っています。どういうことかというと、人間の場合は、口腔内のプラーク(歯の表面に付着している細菌の固まり)があり、虫歯にならないようにその固まりをとるという予防方法をしていますが、一方、犬には虫歯の原因となる菌が存在していないことや、口の中の環境が人間と違うことを考えますと、わざわざ麻酔をかけて歯石だけを取る事にそれほど意味がないということになります。もちろん、歯石が歯の健康に影響を与える場合や、治療にとって必要な場合はその部位の歯石を除去しますが、それが病気の原因かどうかという判断が必要です。そして、当院では歯科治療以外にも、歯磨き教室や歯周病教室を開いて、先に述べましたように、歯みがきもしつけの一環ととらえ、飼い主様に、歯みがきの習慣を動物に身に着けてもらっています。それも、スムーズに当院で歯科治療を行うことができることにつながっているので、良いサイクルができています。

 

初診の際、どのような工夫をしていますか?

初診の時には必ず動物の口腔内の写真を撮って、飼い主様にお渡しします。そして、写真を見せながら、ペットの歯の状況を説明しています。当院に来られる動物達の中には、歯根が出たり、歯が倒れたりするなど、驚くほど悪化してしまった状態がほとんどです。それは人間に置き換えれば、痛くてたまらない状況であり、それを放置せずにしっかりと治療していきたいという想いで動物の歯科治療に取り組んでいます。また、飼い主様がご自分の動物の口腔内の写真を見ることによって、歯科治療に対するモチベーションがぐっと高まりますね。初診時にこのような工夫と、私自身によるカウンセリングを行うことによって、初診からの継続率は大体90%を超えております。
歯磨き教室・しつけ教室等のイベントにも取り組んでいらっしゃいますね。
そうですね、歯磨きの仕方を覚えたいという飼い主様は多くいらっしゃいます。利益度外視で、当院に通っていない飼い主様(当院のホームページの告知をみて)や、もともと通院されている飼い主様にもご参加していただき、デンタルIQ向上に向けて啓蒙活動しています。
また当院では、近所の施設とコラボして、愛犬愛猫の為の「よく噛むおやつ」も開発してご提供しています。素材はすべて国産で、さらに旬の地場産野菜を使用しており、試作を重ね、ほどよい硬さに作りました。これによって唾液が良く出るようになり、歯科の予防にも繋がっているかと思います。通院中の飼い主様を中心に口コミで当院が開発したおやつが広まっています。

近隣のカフェと貴院が提携されているのですね。

はい、当院にご来院される飼い主様には、提携している近隣のカフェでのコーヒー1杯分を当院負担で飲めるようにしています。そうすることで、地域の商業施設に人が集まるきっかけになり、地域全体が活性化することに繋がると考えています。私としては、自分の医院の発展のことだけではなく、地域社会全体全体が潤うことに微力ながら協力させていただくことが大切だと思っています。私の医院も地域社会の一員ですから、そうしないといずれ行き詰ってしまいます。

とても社会性の高い取り組みですね。その一環として、動物病院内の見学も行っているのでしょうか?

はい、動物と暮らしていないご家庭ですと、こどもさんが将来動物看護師とか獣医師になりたいと思っても、なかなか仕事のイメージをしにくいですよね。ですので、職業体験という形で将来の動物病院関連の職業を検討してもらうときのきっかけになればという思いで実施しております。当院では、マニュアルのスケーラーを使っていますが1~2mほど飛沫が飛んでしまうこともあります。犬の菌が人間に感染する可能性があるということが分かっていますので、見学時は、その飛沫から身を守るために参加者には防護服を着ていただいて、衛生管理も徹底しております。

将来チャレンジしてみたいこと、取り組んでみたいことはありますか?

いくつかあるのですが、地域の野良猫を保護して、歯磨きのしつけをして猫の譲渡をしていく取り組みを強化していきたいです。現在も行っているのですが、人手が必要なことでもあるので、私の想定するレベルまで仕組ができるようにしていく予定です。
また、フードロスという社会課題にも向き合っていくことです。動物病院業界だけではなく、マクロな視点で世の中の課題解決にも取り組んでいきたいと思っています。

長時間にわたりとても有意義なお話をしていただきまして、誠にありがとうございました。

社会課題・地域貢献にも取り組まれていらっしゃる、とても視座の高い経営者様でございました。この度は取材をお受けいただき、誠にありがとうございます。

●花小金井動物病院 ホームページ
https://hanakoganei-ah.com/

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