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動物病院の診療圏調査とは?開業する場所を決めるときに大切なポイント

動物病院の診療圏調査とは?開業する立地・場所を決めるときに大切なポイント

 

動物病院の開院を検討している方は、商圏範囲を決定する必要があります。その際に必要なのが診療圏調査です。自分で調査もできますが、専門知識や経験がなければ、最適な開院立地・場所を決めることは難しいでしょう。今回は、動物病院の診療圏調査と、開院立地場所を決めるときに大切なポイント、診療圏調査の相場と内容について詳しくご紹介します。

なぜ診療圏調査が必要になるのか

経営戦略を考えるにあたって船井総研では「差別化の8要素」というものを重視しています。

 

この差別化の8要素は、我々動物病院コンサルタント以外にも、多種多様な業界のコンサルティングに携わるコンサルタントも必ず戦略を立てる上で、大切にしている考え方です。

 

動物病院業界の動向

それでは、動物病院業界の動向について詳しくみていきましょう。

【差別化の8要素】
1.立地
2.規模
3.ブランド・ストアロイヤリティ
4.商品力
5.価格
6.接遇力
7.販促力
8.固定客化力
そしてこの順番は上に行くほど重要な差別化の要素となっています。「1~3を戦略的差別化(=すぐに変えられない要素)」「4~8を戦術的差別化(=企業努力で変えられる要素)」と呼んでおり、立地がいかに大事かがご理解いただけるかと思います。どんなに開業後に集患対策などを頑張ったといても、立地が悪いと結果は出づらくなります。初めの立地選定にはこだわっていただきたいと思います。

 

動物病院の商圏範囲とは?

動物病院における商圏範囲とは、「来院してもらえる範囲」のことです。例えば、周りに人が住んでいない地域に開院しても、集患は見込めません。周りの人口や所得層、ペットの飼育率などを踏まえ、最適な立地・場所に開院する必要があります。

だいたい動物病院の商圏範囲は車で10分、15分程度となります。この商圏範囲内から全体の7割の飼い主様が来院されます。

都会は人口が多いため、それだけ多くの集患が見込めますが、建物の維持コストや競合性が高く、創意工夫を凝らさなければ収益が安定しないでしょう。反対に、地方は建物の維持コストが安い代わりに、人口が少なくて集患性が低いことが特徴です。

ただし、都会と地方のどちらにおいても、診療圏調査を行うことで、維持コストや競合性、集患性のバランスがとれた立地場所が見つかるはずです。

「維持コストを抑えたいから地方を選ぶ」、「オリジナルの治療法を導入していて自信があるから都会を選ぶ」といった漠然とした考え方ではなく、「都会・地方の中でも動物病院を開院するのに適した立地・場所を探す」ことが重要でしょう。

 

産業動物診療獣医師の高齢化が進んでいる

農林水産省の「獣医療を巡る情勢について」によると、平成18年の時点で産業動物診療獣医師の平均年齢は51.1歳、小動物診療獣医師
平均年齢は44.3歳です。少子高齢化の影響を受け、現在は平均年齢がさらに高くなっていることが予想されます。

 

経営者がある日突然亡くなられると動物病院の経営ができなくなり、廃業を余儀なくされる恐れがあります。遺族やスタッフに大きな負担がかかるため、事業承継を早期に検討を始めることが大切です。

 

診療圏調査で大切なポイントとは

診療圏調査が不十分だと、開院立地・場所を間違えてしまい、収益性や安定性に問題が生じる可能性があります。診療圏調査では、次のポイントを押さえることが大切です。

 

経営者の高齢化

動物病院の経営者が高齢になり、経営を続けることが難しくなったときに、親族・親族外で後継者を探し始めることが多いでしょう。事業承継の準備を進めている段階で亡くなられるケースもあるため、早い段階から準備を始めることが大切です。

 

競合分析

競合の動物病院の評判や集患性、独自性などの調査が必要です。近い立地・場所に動物病院が複数ある場合、「コスト」、「獣医師やスタッフの質」、「居心地の良さ」、「交通の便」、「雰囲気」「口コミ評価」など、さまざまな項目を踏まえてかかりつけ医を決めます。

 

競合の動物病院よりも全ての項目が上回る動物病院を開院できれば、多くの集患が見込めるでしょう。しかし、現実にそのような動物病院を開院することは困難です。競合調査では、自院が負けているところと勝っているところまで詳しく調べて、総合的に判断する必要があります。

 

地域特性分析

人口やペットの飼育率、周辺環境、人通りなどの地域特性を詳しく分析する必要があります。どれだけ人口が多くても、周辺にペット不可のマンション・アパートが集中している場合は、多くの集患が見込めません。

また、戸建て住宅やペット可物件が多い地域であっても、所得の問題でペットを飼育できない人が多いと、集患に苦労するでしょう。このように、地域特性を詳しく分析することで、開院後にどれぐらいの集患を見込めるかがわかります。

 

地域特性分析において調べるべきポイントは次のとおりです。

 

・人口と世帯数
・犬の散歩状況
・道幅
・人、車の通行量
・一戸建て、ペット可物件の数
・交通手段
・商業施設、学校の分布

 

将来的な人口の増減

現在は十分な人口であっても、将来的に減少する可能性があります。総務省によると、少子高齢化の急速な進展によって、2008年をピークに総人口が減少に転じています。2050年には日本の総人口が1億人を下回ることが予測されており、開院から廃業まで常に一定の集患が見込めるとは限りません。(※1)

(※1)総務省「第1部特集人口減少時代のICTによる持続的成長」

また、地域によっても人口の増減の程度が異なります。動物病院の開院を検討している地域の将来性について、詳しく調べることが大切です。

 

開業を失敗させないために押さえるポイント

診療圏調査のミスや調査不足は、開業の失敗に直結します。開業時には、「開業コスト」、「収益が安定するまでの資金繰り」、「地域の将来性」など、さまざまなことを考慮する必要があります。

 

WEBで簡易的に調査するだけでは、最適な開院立地・場所を見つけることはできません。現地に脚を運び、綿密に調査が必要になります。

 

まとめ

動物病院の開院立地・場所を決めるときは、診療圏調査が必要です。事業計画や導入する医療機器、コンセプトなどを踏まえ、ベストな開院立地・場所を選定しましょう。

自力で商圏調査を実施することは難しいと思います。こういった相談にも対応しておりますのでぜひ一度無料相談をご利用くださいませ。

 

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