動物病院で内視鏡検査・腹腔鏡手術を希望される飼い主の数を増やすために
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動物病院で内視鏡検査・腹腔鏡を希望される飼い主の数を増やすために
動物病院で開腹手術ではなく、腹腔鏡の手術を増やす場合、開腹手術との明確な違いを飼い主に伝える必要があります。
そして、飼い主は、その情報で納得した場合のみ開腹手術をするという意思決定を下すのです。
では、飼い主のどのように説明するのか効率的なのかをここからお伝えします。
開腹手術と腹腔鏡手術の違いを分かりやすく伝える
一般的に開腹手術と内視鏡を使った腹腔鏡手術では傷口が小さく低侵襲など、犬猫にとって負担が少なくできることが大きいです。また、開腹手術の場合は卵巣を索引する必要があり、傷も大きいです。
しかし、腹腔鏡手術では、卵巣を無理にひっぱらないので、痛みが少ないです。
また、傷口の小ささや、低侵襲、無理に卵巣を引っ張らないため、術後の痛みが少なく、回復が早いのも腹腔鏡手術の一つの価値になります。
ただ、腹腔鏡手術のデメリットとして、カメラを通して行う手術の難易度の高さや、専門の器具(腹腔鏡用モニター、ソノサージ(超音波凝固切開装置)やトロッカー、ライトケーブル、鉗子)も必要です。
結果として、料金が開腹手術に比べて高くなってしまいます。
腹腔鏡手術の件数を伸ばすためには、腹腔鏡手術の価値を明確にする必要があるのです。
ただ、こういった話をした際に、獣医師の先生からすると、そんな当たり前のことはわかっていると思われている方も多いかと思います。
しかし、伝えることと伝わることは違います。
ここからは獣医師の先生か、動物看護師さんが飼い主にどのように伝えたら伝わるのかをお伝えします。
飼い主に伝わる伝え方
実際に飼い主に分かりやすく伝える場合、大きく2つの方法がございます。
1.WEB上で伝える(ホームページ等)
2.リアルな場面で伝える
ここからはWEB上で伝える場合と、リアルで伝える場合の効果的な手法をご紹介いたします。
1.WEB上で伝える場合
WEB上で伝える場合は、既存でも新規でもどちらの飼い主でも見てもらえる内容になります。また、しっかり内容さえ作り込んでおけば、後は飼い主が能動的に情報を読み、理解するので、動物病院としての手間はあまりかかりません。
そういった意味で非常におすすめですので、是非ご検討いただければと思います。
ただ、単に情報を並べれば良いわけではありません。しっかり正しい順序で伝えなければ、飼い主の理解を促すことは難しくなります。
PASONAの法則を活用して飼い主理解を促進
PASONAの法則をご存知の方はどのくらいおられますでしょうか。
初めて聞いたという方は以下の記事をご覧ください。
PASONAの法則を活用することで、飼い主に必要なタイミングで漏れなく情報を伝えることができます。
是非試していただければと思います。
そして、WEB上で情報を発信する場合、一番有効的なのは動画です。
最近増えてきましたが、情報量を伝える場合、動画ほど、時間あたりの情報量が多いツールはありません。
是非まだ作成されていない方も動画を一度作ることで、飼い主の理解を促していただければと思います。
2.リアルで伝える場合
次は、リアルで伝える場合です。
この時に考えないといけないことは伝える情報の平準化です。
あるスタッフは腹腔鏡のメリットを正確に伝えることができているが、あるスタッフは伝えている内容が獣医師の先生とは異なる。
これでは、飼い主は困ってしまいます。
また、獣医師の先生がリアルの場で何回も同じ説明をしなければなりません。
上記の状況を避けるためには、必ず事前にパワーポイントか、ワードなどで、伝えたい内容をまとめることです。
そして、そのプレゼン資料に沿って話すことができれば、飼い主に本来伝えなければならない情報量を伝えきることができる。
そういったツールを作ることができれば、飼い主は情報を視覚的に理解することができ、スタッフによる伝えている内容の誤差も解消できます。
是非プレゼン資料を一度作成してみてください。
それもできれば、獣医師の院長先生ではなく、スタッフが作ることができると一番良いです。
皆様の参考になれば幸いです。
皆様の動物病院が益々発展することを祈念しております。