動物病院の院内マネジメントの方法は?手順から注意点、目指すべき組織を解説
目次
動物病院の院内マネジメントとは?
動物病院の院内マネジメントとは、スタッフのやる気を引き出したり教育したりして、高い収益を安定して得るためにマネジメントすることです。
院内マネジメントを行わない場合、教育体制やモチベーションを維持する取り組みが定着せず、優秀なスタッフを確保できなかったり生産性が低下したりと、様々な問題が起こる可能性があります。院内マネジメントは、経営の安定化や収益増加を目指す動物病院が行うべき施策と言えるでしょう。
院内マネジメントのメリット
院内マネジメントを行うかどうかで、経営の安定度が大きく変わります。院内マネジメントのメリットについて、詳しくご紹介します。
スタッフのモチベーションアップ
院内マネジメントでは、スタッフの働きを評価したり励ましたりと、実力を引き出すためのマネジメントを行います。スタッフのモチベーションが上がれば、気持ちのいい対応やホスピタリティ溢れる対応ができるようになり、結果的に顧客満足度が上がります。そして、顧客満足度が上がれば動物病院の収益も上がるのです。
どれだけ優れたスキルを持つスタッフを雇用しても、モチベーションが下がると実力を発揮できなくなれば、顧客満足度に悪影響を及ぼします。反対に、未経験の人物でも、院内マネジメントができていれば実力を早期に引き上げることができます。
コミュニケーションが円滑になる
動物病院では、スタッフ同士の情報共有が欠かせません。スタッフ同士の仲が悪い場合、情報共有に支障をきたし、クレームに発展するようなトラブルに繋がる恐れがあります。スタッフ同士のコミュニケーションが円滑になるようにマネジメントできていれば、情報共有の問題でトラブルになるリスクを抑えられます。
スタッフを効率よく教育できる
院内マネジメントの一環としてスタッフの教育体制を整えることで、院長自らスタッフを指導する必要がなくなります。スタッフを効率よく教育できることで、優秀な人材が早期に育ち、動物病院の収益が上がりやすくなるでしょう。
院内マネジメントの方法
院内マネジメントができている動物病院は、オペレーションがスムーズに回っています。また、各スタッフのモチベーションが高いため、顧客満足度が高く、クレームも少ないことが特徴です。それでは、院内マネジメントの具体的な方法をご紹介します。
医院の理念やコンセプトの共通理解を得る
動物病院によって、理念やコンセプトが異なります。理念やコンセプトに基づいて行動することで、動物病院のブランドを確立できて、顧客獲得に繋がるのです。そのため、全スタッフが動物病院の理念やコンセプトを理解しなければなりません。しかし、院長が理念やコンセプトを説明しても、なかなか理解ができないことが多いでしょう。
そこで、スタッフとの距離が近い人物が理念やコンセプトをわかりやすくかみ砕いて伝えることで、理解を得やすくなるのです。
教育係を育成する
教育係がいることで、優秀なスタッフが育つ環境が整います。教育係には、業務遂行力やコミュニケーション能力が高い人物が適しています。また、人柄がよく、誰とでも優れたコミュニケーションをとれることが必要不可欠です。誰もが見本にしたいと思えるような教育係に育てましょう。
優秀な教育係がいる動物病院は、優秀なスタッフが早く育つため、スタッフが退職しても顧客満足度が大きく下がることがありません。また、新人スタッフとしても教育係がいる方が安心して業務に取り組めます。
スタッフとのコミュニケーションを欠かさない
院内マネジメントで最も重要なのが、スタッフとのコミュニケーションを欠かさないことです。マネジメントしようにも、他のスタッフに嫌われている場合、思うような結果になりません。例えば、理念やコンセプトの共有1つにしても、慕われない人物の言葉を真剣に聞くことはないでしょう。
スタッフとのコミュニケーションを欠かさないことで距離を縮めると共に、不満があればいつでも話せる状況を作ることが大切です。
風通しが良い院内を作る
風通しが良い院内とは、自分の意見を伝えやすく、雰囲気が良い状態のことです。相手のことを気づかうことで自分の意見を言えなかったり、院内の雰囲気を悪くするような厳しいルールが設けられていたりすると、スタッフが疲弊してしまいます。
どのような意見でも伝えやすい関係性を作るとともに、週1回のミーティングを開くなど、風通しが良い院内を作りましょう。
スタッフのスキルを見極める
スタッフのスキルを見極めて、適材適所に配置することが重要です。オールラウンダーなスタッフは重宝しますが、そのようなスタッフをすぐに育て上げることはできません。スタッフのスキルを見極め、高いレベルで業務遂行できる役割を与えることで、スタッフのスキルを伸ばすことができます。
例えば、マルチタスクよりも笑顔で気持ちの良い対応を得意なスタッフは、受付を任せると良いでしょう。ただし、本人の希望も踏まえて配置を決めることが大切です。
動物病院の院内マネジメントに必要な資質
動物病院の院内マネジメントを行う人物には、次のような資質が求められます。
熱意
院内マネジメントを行う人物は、いわば院長の代わりとなる存在です。そのため、院長と同じぐらい熱意がある人物が適しています。動物病院の理念やコンセプトを理解して、行動に反映できることが重要です。
コミュニケーション能力
スタッフとのコミュニケーションは院内マネジメントに欠かせないため、コミュニケーション能力が高い人物が向いています。相手の考えていることを見極め、適切な対応ができる人物を選びましょう。コミュニケーション能力が低い人物がマネジメントを行うと、誤った対応をとることでスタッフの悩みの原因になる恐れがあります。
責任感
動物病院の院内マネジメントを行う者として責任を持てることは必須条件です。マネジメントの失敗は、収益低下にも繋がり得るため、責任をもってやり遂げることができる人物を選ぶ必要があります。ただし、責任感が強いからといって、無茶な要求をしてはいけません。責任による重圧に耐えかねて、ある日突然退職してしまうケースは意外と多いのです。
ストレスをうまく解消しつつ、責任を全うできる人物が向いています。
動物病院が目指すべき組織とは
組織とは、主に4つのステージがあると考えられています。
1.壊滅的な組織(働きがいも、働きづらいゾーン)
2.仲良しクラブ(働きがいはないが、働きやすさゾーン)
3.野戦病院(働きがいはあるが、働きづらいゾーン)
4.グレートな組織(働きがいもあり、働きやすいゾーン)
永続していく為には、グレートな組織を目指す必要があります。
では、どういった順番でグレートな組織を目指せば良いのでしょうか?
現在、 1のステージの医院様は、最初に働きやすさを追求するべきなのでしょうか? それとも、3の働きがいを追求するべきでしょうか? 答えは、まず働きがいを追求することです。 では、なぜ働きがいなのでしょうか? 答えは、動物病院の組織の特徴に隠れています。 動物病院は、女性比率が一般企業に比べて高いです。 また動物看護師は、毎日同じ仕事を繰り返す形が多いです。 そのような状況の時に、 働きやすさを追求すると、 毎日の同じ仕事に飽きてしまっている看護師さんたちは 仕事よりもプライベートの充実を望むようになります。 そうすると、働いている時間は、出来るだけ自分の負担が少ないように動き、他の人に仕事を任せて、病院としてのサービスの質が低下し、飼い主さんが離れ、、と悪循環が発生します。では、働きがいを追求するとどうなるのでしょうか? 働きがいを追求とは、日々新しい仕事を看護師さんにしてもらうことになります。また、最終的には、担当制で、責任も一任できるようにします。 そうすることで、どのような事が起こるか? それは、仕事とプライベートを充実できる組織です。 新しい仕事は、スタッフにとって、負担が大きいです。 しかし、新しい体験は、成功体験をすることによって、喜びに変わります。 一度成功体験を味わうと、挑戦する楽しみを覚えます。 そうすると、スタッフが自発的に動く組織になります。 仕事に責任感も生まれます。 病院としてのサービスの質も上がります。福利厚生を充実できるだけの資金が集まります。従業員に還元できます。結果、グレートな組織になります。もし、今後の方針について、悩まれている方がおられましたらこちらのコラムを参考にして頂けますと幸いです。
まとめ
動物病院の院内マネジメントに力を入れることで、スタッフが高いモチベーションを維持できるようになり、結果的に顧客満足度が上がります。院内マネジメントは重要な施策であるため、適性のあるスタッフから選出する必要があります。院内マネジメントを行う者と定期的に面談をして、現状の共有や意見交換を欠かさないようにしましょう。
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