動物病院で看板を設置する上で知っておくべきこと
目次
「動物病院の集患に看板って大切なんです」
動物病院専門の経営コンサルタントが解説
執筆者:株式会社船井総合研究所
動物病院ユニット
■目次
①広告の目的について
②動物病院で理想的な販管費について
③看板を選ぶ上で知っておくべきこと
④看板のデザイン
①広告の目的について
看板をリニューアルすることで月にどのくらいの来院が見込まれるかご存知でしょうか。
まず広告の種類と目的について振り返ります。
広告とは大きく2つの役割が存在しております。
1.認知率UP
2.来院率UP
船井総研としては導線戦略(=認知率UP)と受け皿戦略(=来院率UP)と考えます。
今回の皆さまが検討されている動物病院の看板(サイン)集客は大きく認知率UPに貢献していることをまず把握しておいてください。
そのため、経営者の皆様には今回の投資(動物病院で看板を設置すること)でどのくらいの費用対効果があったのかを把握することも必要になります。
費用対効果を把握するためには、新患用の問診票に
「当院をどのような形で知られましたか?」
という認知経路を調べる内容を必ず入れるようにしてくださいね。
では、実際どのくらいの方が看板を見て動物病院に来院されるのかご存知でしょうか。
是非一度考えてみてください。
いかがでしょうか。
新患の数は動物病院の規模などによって大きく異なるかと思います。
弊社の動物病院のクライアントの場合、前提として看板の設置箇所数や場所にもよるのですが
毎月看板を見て認知され、結果的に来院されている方として約5~8名おられます。
皆様の診療単価にもよりますが、
平均診療単価が1万円だとした場合に
多くの動物病院で年間約60万~100万前後の集客力UPが見込まれるということになるのです。
そのため、投資対象としても3年以上の長い目で見た場合に看板設置は必要な場合もあるということになります。
ここには皆様の動物病院が存在する立地も深く関わってくるためそのあたりも考慮する必要がございます。
ここまで大まかな動物病院の看板による効果を解説したので、そもそも皆様の動物病院がどのくらいの販管費をそもそも使っているのかという財務面からも整理していきます。
②動物病院で理想的な販管費について
皆様の動物病院では販管費として年間どのくらいのお金を投資されておられますでしょうか。理想的な投資額をすでに上回っているのであれば投資するのは待ったほうが良いかもしれません。
手元に財務諸表を用意してください。
といっても財務諸表を用意される方はおられないと思いますので、話を勧めていきます。
まず損益計算書の販管費という項目が何を意味するのかは皆様御存知でしょうか。
販管費とは販売管理費のことであり、営業する上で必要なプロモーション活動による費用が計上される項目になります。
ここから動物病院に必要な販管費の目安を深堀りします。
開業年数にもよるので条件は一概に言えないですが、基本的に毎年販管費として売上の3%を投資されている動物病院が理想的です。
すなわち、年商5000万の動物病院の場合、毎年150万以上の投資を継続して行っていることが前提になります。
また投資なので費用対効果も意識したお金の使い方をする必要があります。
皆様の動物病院は「毎年」売上の3%前後の費用を広告費として投資されておられましたでしょうか。
不足している動物病院様に関しては費用対効果の高い所により投資することを意識してください。
機会損失のない営業活動を行うことが非常に重要になります。
ではここからは看板の作り方について深堀りしていきます。
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一度ここまでの内容を整理します。
第一章では、看板がどの目的を果たす広告なのか整理しました。
看板は認知率UPを目指すものであり、弊社の動物病院のクライアントの場合毎月5~8名ほどの飼主様が看板を見て動物病院の存在を知っております。
また、弊社の動物病院のクライアントに関しては費用対効果をしっかり分析しながら営業活動を行っております。
具体的には当たり前なのですが、新患用問診票には『何をきっかけで当院を知ったのか』
ここに看板を見て知ったという欄を設ける必要があるわけです。
第二章では、動物病院に必要な販管費について記載いたしました。損益計算書(PL)の販売管理費が売上の3%前後になっているのを一つの理想として営業活動を継続してください。
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ではここからは
具体的に看板を選ぶ上で知っておくべきことについて深堀りしましょう。
③看板対策を行う上で知っておくべきこと
看板を実施する場合、獣医療広告ガイドラインの内容に違反しないようにすることと、通行量の多い場所に出すこと、そして前提条件として看板は見られないという3点があげられます。
獣医療広告ガイドラインについては他にも詳細を解説しておりますのでそちらをご確認ください。
その他については大きく知っておいてほしい視点をこちらに記載いたします。
看板を設置する際は下記内容は一つの判断指標にしていただきたいです。
①獣医療広告ガイドラインに違反していないか
②看板前の通行量について→こちらは最低でも昼前12時間で7000台近くの通行量があるか
③照明機能→夜間でも機能する看板かどうか
④看板のサイズ→3~5メートル離れた位置から認識できる内容かどうか
⑤看板の高さ→車の運転手が運転中に自然に見れる高さかどうか
⑥動物病院からの距離→商圏範囲内に看板が設置されているか
⑦看板競合→近くに他の店舗や業種の看板がないか。埋もれていないか。
⑧車線数→車線数が多い場合は設置するべきかどうか検討する必要があります。
⑨看板の角度→ドライバーから視認性の高い角度か
⑩誘導表記→誘導するべき内容が盛り込まれた看板であるか
上記内容は必ず振り返るようにしてください。
特に看板はドライバーから5メートル以上離れると認識しづらくなります。
そのあたりも注意して設計する必要がございます。
最近はLED看板なども設置する動物病院が増えており、獣医療広告ガイドラインに違反していない形で病院内の雰囲気を伝えるのも有効となります。
④看板のデザインについて
最後に看板のデザインについて解説いたします。
最近は動物病院でもデザイン的におしゃれな動物病院も多くなっております。
そのため、見た目では動物病院だとわからない店舗もあるわけです。
そういった施設の場合は看板にも
『動物病院』ということが一瞬で分かる要素を盛り込む必要があります。
例えば、ワンちゃん、ネコちゃんの写真やイラストを入れるのも一つです。
またデザイン的には一貫性が大切になりますので
店舗のテイストと合わせた形でデザインを考える必要がございます。
最近は病院のロゴを盛り込んだ形で看板デザインを作るのが一般的で、
特にどの領域をPRするのかも重要になります。
PR内容については基本的に弊社で考える船井流の差別化8要素をベースに考えても良いかもしれません。
このあたりを参考に是非検討してみてください。
上から順番に差別化効果が大きくなります。
駐車場の数を表記することで規模を表すこともできますし、
掲載しても良い資格を載せることで商品力を担保する形でも良いです。
是非皆様の動物病院の状況に合わせた内容を看板に盛り込んで頂き、成果を出していただければと思います。
まとめ。
第3章では、動物病院で看板を設置する上でどのような点に気をつける必要があるのか記載いたしました。
第4章では、差別化要因の内容を列挙し整理いたしました。
是非皆様の動物病院で
看板をもとに集客する体制の参考になればと思います。