愛玩動物看護師の国家資格化での受験資格とは？

2022年6月22日 (水)

動物看玩護師の国家資格化の背景

今まで、動物看護には必須の資格は特になく、資格を取得する場合には「認定動物看護師」の取得が一般的でした。

愛玩動物看護師法はなぜ、制定されたのでしょうか。その理由は「ペットブーム」による業界成長にあります。
犬や猫をはじめ、最近では、ハムスターやうさぎ、亀やトカゲの爬虫類や鳥類など、様々な種類の生き物が家族の一員として共に暮らすようになりました。
それに伴い、幅広い役割を担う動物看護師がなくてはならない存在となる一方で、その資格や業務について定める法律がなく、動物看護師の技術水準の確保やその業務を十分に果たすことのできる環境ができていないことが課題となっていました。
これに対し、愛護動物の看護にあたる動物看護師の資質向上、業務の適正の確保、そして獣医療の普及・向上を目的として「愛玩動物看護師法」が制定されました。

愛玩動物看護師ができる業務内容について

愛玩動物看護師という国家資格により、業務内容はどう変わるのでしょうか。
大きな変化として、獣医師が行っていた動物診療行為のうち、採血・投薬・マイクロチップ挿入・カテーテルによる採尿といった一部の行為が、獣医師の指示のもと認められたことです。

愛玩動物看護師の受験資格について

愛玩動物看護師の国家試験を受験するためには、法律で定められた条件を満たす必要があります。

□通常ルート

・大学で指定の科目を修めて卒業する
・愛玩動物看護師養成所（専門学校など）で3年以上必要な知識・技術を習得する
愛玩動物看護師の受験資格を得るには、愛玩動物看護師養成所に入学し、3年以上の就学を経て、養成所や大学が指定するカリキュラムを修了したのち、国家試験を受験するという流れになります。

特別経過措置の受験資格の流れ

愛玩動物看護師養成所での就学が条件となりますが、法律の施行から5年間は現職の方、既卒者・在学者のための経過措置が設けられており、その条件を満たすことで受験資格を得ることができます。

□既卒者・在学者ルート

動物看護師を養成する大学・養成所の既卒者・在学中（現在実施されている「動物看護師統一認定試験」の受験資格を持っている）の場合、その合否は問わず「愛玩動物看護師として必要知識・技能の修得を終えた」とみなされ、30時間の程度の講習会を受講することで、受験資格が付与されます。
「既卒者・在学者」の指定講習会は、26時間コースが基本ですが、認定動物看護師資格を所有している方は16時間コースに減免されます。

□現任者ルート

動物看護にかかる業務に累計5年従事している（診療の補助を除く）、もしくは動物看護師統一認定気候による動物看護師統一認定試験の受験資格を持つなど現在の動物看護師として必要な知識・技能の習得を終えた方は、講習会（30時間程度の予定）および、予備試験に合格することで愛玩動物看護師国家試験受験資格を得ることができます。
実務経験については、連続した5年である必要はなく、業務に従事した期間が通年5年以上であればこの経過措置を受けることが可能です。現在、動物看護師として働いていない場合でも、実務経験が通年5年以上であればこれに該当します。
「現任者」の指定講習会のコースは、30時間コースが基本ですが、認定動物看護師あれば20時間コースに減免され、さらに「既卒者・在学者」にはならない修学歴があれば16時間コースまで減免されます。