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動物病院の事業承継のポイント 事業承継の理由と承継先ごとの特徴とは

動物病院専門コンサルタントが動物病院の事業承継について解説

 

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動物病院業界では獣医師の高齢化が進んでおり、事業承継への関心が高まってきています。現在の動向を踏まえ、早い段階から事業承継の準備を進めることが大切です。ここでは、動物病院の事業承継の理由や承継先ごとの特徴、事前準備について詳しくご紹介します。

 

動物病院の事業承継とは

事業承継とは、現在の経営者が会社や事業を後継者に引き継ぐことです。個人の動物病院に当てはめると、代表者である院長が他の獣医師に院長の座を引き継ぐことを指します。ただし、院長の座を引き継いだだけで、実際には前院長が実権を握っているケースでは、事業承継をしたとは言えません。

 

事業承継では、経営権や資産、技術や技能、ブランドなど全てが後継者へ引き継がれるため、現経営者は完全に退任することになります。

 

動物病院業界の動向

それでは、動物病院業界の動向について詳しくみていきましょう。

 

ペットの高齢化が進んでいる

一般社団法人ペットフード協会の「全国犬猫飼育実態調査(2016年)」によると、2012年から2016年にかけて、13歳以上の犬の割合が9.7%から15.7%に、1~6歳の犬の割合が43.0%から35.1%に推移しています。

 

犬だけではなく、猫やハムスター、鳥類など、さまざまなペットにおいて高齢化が進んでいることが予想されるため、動物病院の需要は高まっていると言えるでしょう。

 

動物医療が進化している

動物医療の進化により、最新の医療機器の積極的な導入が求められています。進歩した獣医療を随時提供することで、動物医療に希少価値が生まれて、多くの飼い主様に来院いただけるようになるでしょう。

 

産業動物診療獣医師の高齢化が進んでいる

農林水産省の「獣医療を巡る情勢について」によると、平成18年の時点で産業動物診療獣医師の平均年齢は51.1歳、小動物診療獣医師 平均年齢は44.3歳です。少子高齢化の影響を受け、現在は平均年齢がさらに高くなっていることが予想されます。

 

経営者がある日突然亡くなられると動物病院の経営ができなくなり、廃業を余儀なくされる恐れがあります。遺族やスタッフに大きな負担がかかるため、事業承継を早期に検討を始めることが大切です。

 

動物病院の事業承継の理由

動物病院の事業承継は、主に次の理由で行われます。

 

経営者の高齢化

動物病院の経営者が高齢になり、経営を続けることが難しくなったときに、親族・親族外で後継者を探し始めることが多いでしょう。事業承継の準備を進めている段階で亡くなられるケースもあるため、早い段階から準備を始めることが大切です。

 

新たな事業への参入

複数の事業を持つことで経営が安定しやすくなるため、動物病院以外の事業への参入を検討している経営者は多いのではないでしょうか。しかし、動物病院の経営を続けながら新事業に参入することは困難です。

 

そこで、動物病院を後継者に承継すれば、新事業に集中できるようになります。新事業が安定したら、動物病院の経営に再び携わることも可能です。

 

動物病院の事業承継先ごとの特徴

動物病院の事業承継では、誰に引き継ぐのかが重要です。承継先ごとの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

 

親族内承継

親族内承継とは、子どもや妻、叔父や叔母など、親族に承継することです。スタッフや関係者から心情的に受け入れられやすいため、事業承継後に退職者が急激に増えてしまう事態が起こりにくいでしょう。また、後継者を早期に決めて、時間をかけて準備しやすいこともメリットです。

 

ただし、親族内に経営能力と意欲の両方を持つ人物がいるとは限りません。動物病院の事業承継においては、後継者が獣医師であることが望ましいため、親族内から選べないケースが多いでしょう。

 

また、獣医師以外の人物を後継者に選ぶ場合、複数の候補者が現れることで話し合いが難航する恐れがあります。

 

従業員への事業承継

雇用している獣医師の中から後継者を選ぶことも可能です。業務内容を把握しているため、事業承継後に円滑な経営ができなくなるリスクが低くなります。ただし、親族内承継と比べてスタッフから心情的に受け入れられにくいでしょう。

 

また、個人債務保証の引継ぎ時に問題が発生する可能性があります。多くの動物病院では事業資金を借り入れるときに経営者が保証人になります。事業承継によって保証人が後継者に変更され、負担がかかるのです。

 

第三者への事業承継

親族内、従業員から後継者を選べない場合は、第三者への事業承継も可能です。現在の経営者は、動物病院の売却による利益を獲得できる可能性があります。ただし、譲渡価格や従業員の雇用、方針などの条件を満たす買い手を見つけるのが難しく、事業承継に時間がかかりやすいでしょう。

 

買い手と売り手を繋げる仲介ができる業者に相談することで、条件が合った買い手が速やかに見つかる可能性があります。

 

事業承継を行う前にやっておくこと

事業承継の成功には、事前準備が欠かせません。次の準備を段階的に行うことが大切です。

 

病院の価値を高める

動物病院の価値を高めることで、第三者に売却するときの利益が大きくなる可能性があります。また、親族や従業員に承継する場合も、動物病院の価値を高めておくことで多くの飼い主様に継続的に来院いただけるため、経営が安定するでしょう。

 

特定の動物に特化した診療、最新の医療機器の導入、経験豊富なスタッフの雇用など、価値を高めて売上を最大化する方法はさまざまです。動物病院に特化したコンサルタントに相談することをおすすめします。

 

病院の価値をすぐに高めることは難しいため、事業承継を行う10年前ほどから始めることが大切です。

 

組織化

事業承継を行う3~5年前から組織化を進めましょう。スタッフの中にチームリーダーを決める、チーム医療の体制を整える、分院を増やすなど、より経営がしやすい状態を作り上げることが大切です。

 

特に、親族内承継、従業員への承継の場合は、現経営者が退任しても動物病院の業務が円滑に遂行される体制を作り上げたいところでしょう。

 

動物病院の事業承継はコンサルタントに相談することが大切

動物病院の事業承継を検討している経営者は、コンサルタントに早めに相談することが大切です。動物病院のコンサルティング実績が豊富であれば、さまざまな事情を抱えた動物病院の売上を最大化できます。

 

また、そのときの動物病院業界の動向を踏まえ、価値を高める方向性までアドバイスできるでしょう。動物病院の価値を高めるときは、競合調査が欠かせません。例えば、近くの動物病院と同じ方向性で価値を高めると競合性まで高まり、思うように売上が上がりません。

 

このように、事業承継の準備は単純ではないため、売上を最大化するプロのアドバイスを得ることが大切です。

 

まとめ

獣医師の高齢化により、事業承継が注目されています。親族内・従業員・第三者の中からベストな承継先を選びましょう。また、親族や従業員への事業承継後に経営が回らなくなることを防ぐべく、動物病院の価値を高めつつ組織化を進めることが大切です。事業承継の準備を進めるときは、動物病院に特化した実績豊富なコンサルタントに相談しましょう。

 

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