[東京都編] 動物病院の数(施設数)の推移【最新版】
目次
東京の動物病院の数について
東京は日本の中で最も動物病院の施設数が多い地域です。
また、動物病院の施設の純増数についても、東京が最も多いです。
今回は、まず最初に東京都の動物病院の数を振り返ります。
そして、そのあと、日本全体としての動物病院の市場規模の推移や犬猫の飼育頭数などもお伝えします。
東京の動物病院の数(施設数)について
出典:農林水産省
まずは、上記のグラフをご確認ください。
これは2004年から2017年にかけての東京都の動物病院の施設数の推移になります。
2004年には、東京の動物病院の数は、1273件でした。そして、2017年現在においては、東京の動物病院の数は、1700件です。
※この数字は、あくまでも小動物の臨床のみされている動物病院が対象になります。
日本全国に動物病院の数が11839件※(2017年) あるとすると、東京の動物病院の数は非常に多いことがいえます。
※出典:農林水産省
上記のグラフを見ると、
東京都の動物病院の数が日本で最も多く、次は神奈川県の動物病院の数で、日本で2番目に多く、そこから大阪と続きます。
2017年の段階で東京都の動物病院の数が神奈川県の動物病院の数と比べて約1.7倍多いことがわかります。
今現時点での動物病院の施設数については、整理いたしました。
ここからは、東京都の動物病院の純増数の推移に着目します。
東京都の動物病院の純増数の推移について
出典:農林水産省
上記グラフをご確認ください。
これは東京都の動物病院の純増数の推移です。
動物病院の純増数は年々減少傾向にあるにも関わらず、東京の動物病院の数は大きな減少傾向はありません。
すなわち、こちらのデータは動物病院の純増数が東京に集中している可能性を示唆しております。
では、先ほど仮設した動物病院の純増数が東京に一極集中している可能性について再度考察いたします。
その為、各都道府県ごとの動物病院の純増数を比較します。
都道府県別で比較する2016年から2017年にかけての動物病院の純増数について
出典:農林水産省
上記のグラフは、各都道府県ごとに動物病院の純増数を比較した表になります。
2016年から2017年にかけて、日本全国で164件増えております。
全国で164件の純増数のうち、東京都だけで45件の純増しております。
すなわち、全体の約4割が東京都です。
また、もう一つ大きな傾向があります。それは、動物病院の純増数が首都圏に集中しているという点です。
すなわち、2017年以降も東京都の動物病院の数は、増えていく傾向が強いです。
それに引き換え、首都圏から離れれば離れるほど、動物病院の数は減っている傾向があります。
そういった意味でも、動物病院の院長先生は、競争の激化に備えなければなりません。
では、具体的にどのくらい動物病院業界と、東京都の動物病院の市場での競合性が高まるのか解説いたします。
そのために、動物病院業界の流れをもう少しマクロにお伝えします。
そのためにまずは犬と猫の飼育頭数の推移から考察いたします。
犬と猫の飼育頭数の推移
まずは、下記グラフをご覧ください。
こちらのグラフは、一般社団法人ペットフード協会が毎年公表している犬と猫の飼育実態調査を元に作成しております。
まず、グラフの説明をすると、青色の折れ線グラフが犬の飼育頭数の推移を表しております。また、橙色の折れ線グラフが猫の飼育頭数を表しております。
上記のグラフから読み取れる全体の傾向としては、犬の飼育頭数が少しずつ減少しているのも見て取れます。
すなわち、犬と猫の飼育頭数は大きく減少傾向にある中で、動物病院の数は年々増えていることがいえます。
結果として、動物病院の競合性は10年前と比べて大きく高くなっていることがいえます。
また、特に東京都では動物病院の純増数も、施設数も多いことから、競合性が他の県よりも激化している可能性が高く、ワクチンを打たない飼い主も増えているという背景から動物病院の二極化が最も進みやすい地域である可能性が高いです。
では、次に動物病院業界の市場規模についても振り返ります。
動物病院業界の市場規模について
下記グラフをご参照ください。
出典:農林水産省
動物病院の市場規模の算出方法は、統計局で定期的に配信されている
「(品目分類)第10表 年間収入五分位階級別1世帯当たり品目別支出金額及び購入頻度(総世帯)」の内容と、
農林水産省の方で公表されている動物病院の施設数を掛け合わせて算出しております。
全体の傾向としては、動物病院の飼育者は減少傾向なのに対して、一人当たりの動物病院への年間支出額は増えている為、市場規模が伸びている形です。
すなわち、東京都でも飼い主に支持されている動物病院は、飼い主の数も多く集めることができ、東京の中でも競争に勝ち残る可能性が高いといえます。
逆に明らかに飼い主の数が減少してきている動物病院の場合は、東京でもかなり淘汰されている可能性が高いといえます。
すなわち、今のままでは東京で動物病院の売上を維持するのも厳しくなる可能性があります。
ここに関しては、動物病院の院長先生の考え方次第ですが、東京で動物病院を開業もしくは、長く運営していくつもりであれば、少なくとも飼い主が満足してくれるサービスを継続して供給していく必要があるのです。
考察
東京都は今後も動物病院の競合性が高くなっていく地域である可能性が高いです。
そうした中では、東京の飼い主に支持される動物病院の数は少なくなり、逆に東京でも飼い主に支持されない動物病院の数は増えていく傾向が高いです。
特に東京の場合は、動物病院を掛け持ちする習慣の飼い主が増えております。
その為、東京でも流行る動物病院は飼い主の数も堅調に伸ばします。
特に東京で開業されている動物病院の院長先生にお伝えしたいですが、まずは変わろうとしてください。
ここからは具体的な対策をお伝えします。
対策
一番大切なことは、飼い主のニーズにしっかり応える努力をすることです。
下記に該当する項目がある場合は、もう少しだけ飼い主の求めるものを提供する必要があります。
・待合室に置いてある院内掲示物は1年以上同じものである
・緊急で新患が来ることはあるが、ほとんどかかりつけになってもらえない
・30代前半の若い飼い主がなかなか来ない
皆様は一つでも該当するものがございましたでしょうか。
もし、該当するものがあれば、変化を起こしてください。
これは、動物病院の売上を維持されたい院長先生も該当します。
これからの時代は飼い主のニーズに合わせようとして初めて現状維持です。
すなわち、変化を起こさなければ売上は下がります。
変化とは、飼い主の嗜好にどれだけ合わせることができるかを指します。
もし、これから動物病院を大きくしたいとお考えの院長先生がおられましたら
早期にマーケティングを実行してください。
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<出典>
・ペットフード協会
・統計局
・農林水産省