【2023年】動物病院業界における課題と対処法-経営者が行うべき戦略-
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近年、動物病院業界を取り巻く現状は厳しいものへと変化しています。
その中で、動物病院の経営者としてどのような経営戦略をとるべきか、悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
今回は、動物病院業界を取り巻く現状と時流予測、売上3000万円以下の動物病院が行うべき「船井総研の経営手法」について詳しく解説いたします。
目次
動物病院業界における現状と課題
近年の動物病院を取り巻く環境は、ペット飼育頭数の減少や人材不足などの問題により、厳しいものへ変化していると言われております。
ここでは、動物病院業界における現状と課題について詳しく解説いたします。
ペット飼育頭数の減少と動物病院の増加
近年、ペット飼育頭数が減少しているのにも関わらず、動物病院は微増傾向にあるという現状があります。
このことから、近年の動物病院を取り巻く環境は厳しいものへ変化していると言われております。
これまでの動物病院業界を振り返りますと、新型コロナウイルスの流行により在宅勤務等が進み、 ペットの新規飼育世帯数は大幅に増加しました。
しかし、2022年後半に入り、 ペットショップでの犬・猫生体価格がコロナ前の水準まで低下している現状から、新規飼育世帯数はコロナ前の水準に戻っていると考えられます。
そして、このペット数の減少は2023年以降も続くことが予想されております。
この現状から、動物病院業界において業績が心配されている経営者の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
人材不足
農林水産省の「令和4年飼育動物診療施設の開設届状況」によると、令和4年現在、全国の産業動物と小動物を扱う動物病院の総数は 16,701件となっております。
その中の「就業獣医師数別の施設の状況」によると、獣医師を1人起用する動物病院が10,737件、2人起用するというのが2,942件というように、1つの動物病院に獣医師を1人配置する体制が圧倒的に多い事が分かります。
そして、全国の獣医数の推移によると40歳代以下の半数近くは女性獣医師となっています。
また、現在の獣医学生数や就職状況から、獣医師数や女性獣医師の占める割合は今後も増加すると考えられます。
しかし、40歳以降になると、体力面での理由から8割以上が勤務医を辞めてしまう方が多くおられます。そのうえ、女性獣医師は結婚や出産などにより離職する方が見られます。
これらの現状から、人材不足の問題に悩まれている病院が多くあると考えられます。
動物病院経営における課題
先述した現状がある中で、成熟期にある動物病院の経営を長期的に続けるためには、以下の2点の課題の解決が必要になると考えられます。
・時流を理解し、病院経営を時流適応させる
・経営戦略を実行しながら売上を向上させる
1つ目の課題である「2023年の動物病院業界の時流予測」としては、動物病院のM&Aの加速や専門病院の増加などが挙げられます。
詳しい内容は、こちらの無料ダウンロードレポートからご覧ください。
そして、2つ目の課題である「売上を向上させるための対処法」を次の項目から詳しく解説いたします。
売上3000万円以下の動物病院が抱える課題に対する対処法
動物病院の経営を実施する上で、経営課題は多く存在します。今回は各動物病院のステージごとによくある経営課題をお伝えします。
ちなみに各動物病院のステージを考える上で重要なのは経営状態を定量的に表現する指標でなければならないので、売上を一つの軸にお伝えします。
〜売上3000万円の場合
年間の売上が3000万円未満の場合、大きな経営課題は外来数・新患者数です。
動物病院の治療計画から治療内容、もしくはサービス、病院の大切にしている部分に共感してもらえる飼い主をどのくらい集めることができるかが重要になります。
更にいうと、どのくらいの飼い主様に動物病院のサービスを納得してもらえるか、満足してもらえるかが重要です。
もちろん、病院の規模もありますが、売上3000万円未満の場合は、動物看護師、トリマー、獣医師の採用に注力するのではなく、集患(特に新規の飼い主)です。
そうなった時は、まず船井総研の経営手法でいう一番化戦略を実施して下さい。
一番化戦略とは
船井総研の一番化戦略とは、動物病院の商圏内で、どういった取り組みを行うことが良いのかを決める上で非常に重要な考え方です。
そして、戦略的差別化(立地、規模、ストアロイヤリティー)と戦術的差別化も存在するので、そこも動物病院の院長先生は要注意です。
戦略的差別化とは
戦略的差別化は、企業努力ではなかなか改善できないことです。
例えば、動物病院の立地をそう簡単に変更できないのと同じです。
基本的に、労働集客型の動物病院の経営の中で、立地は一番重要です。
動物病院の近くの飼い主が獣医師である院長先生の目指す方向性にそもそも共感しやすい傾向があるのかも重要です。
また、所得層はどうなのか。人口の推移は将来的に増加が見込まれるのかどうかも動物病院の経営には重要なファクターです。なので、大前提として動物病院の経営は、立地の影響力が非常に大きいということを再認識して下さい。
ちなみにこのまま、他の一番化の内容も検討しますが、立地の次は、規模です。すなわち、動物病院の大きさになります。
当たり前ですが、小さな動物病院と大きな動物病院が同じサービスで同じで、同じ接客レベルで競うと、基本的に小さな動物病院の方が動物病院としての体力が少ないので、負けます。
だからこそ、動物病院の経営は、立地が一番重要で、次は、動物病院の規模であるということを念頭において下さい。
実は、まだあります。
戦略的差別化には、上から3番目にストアロイヤリティーが存在します。
これは地域で長く動物病院の経営をすることで発生する実績・ブランディングのことになります。
獣医師の先生がどういった特徴の先生が多いのかや、動物看護師さんはどんな人が多いのか、獣医師の院長先生はどんな人柄の人なのかなど口コミの源泉となる内容が基本的にはブランディングになります。
なので、治療実績や、症例数など獣医師の院長先生や、代診の先生の腕や、動物病院のコンセプトを大切にして下さい。
戦術的差別化とは
他にも戦術的差別化も存在します。
まず、最初は商品力です。
商品力とは、動物病院の場合は治療実績や対応できる治療内容です。循環器が得意な先生はそういった治療サービスが動物病院の商品力になります。
しかし、実は治療だけが商品力ではありません。
これからより注力され、特化されていく動物病院の院長先生が増えると思いますが、予防の分野も十分商品力となります。
また、予防にもいろいろな形があるので、是非常に商品力は磨き込んで下さい。
上から5つ目は販促力です。
ここは特に船井総合研究所も得意な分野ですが、良い商品をしっかり飼い主に伝えきる力が販促力です。
新患の数が年々減ってきている動物病院は、こういった部分が弱くなっている傾向が強いです。田舎や都会で飼い主の習慣は大きく異なります。
田舎であれば、ほとんどの飼い主は転院することはないですが、首都圏といった都会では動物病院の数が多いという背景もあり、転院される飼い主の母集団は大きいです。
ただ、田舎の動物病院はパピーに対しての販促力や既存飼い主への啓蒙力が動物病院の経営を大きく左右します。
首都圏の動物病院も実は、基本的に同じです。
少し違うのは、転院の年齢層の幅が大きいので他のアプローチ方法も考えなければなりません。
しかし、販促力の大きな違いは実行力です。
動物病院の経営を大きく左右する部分でもあるので、販促力が弱い動物病院は実行力も考慮し、再度強化して下さい。
次は6つ目の接客力です。
接客力は獣医師の先生や動物看護師さんが丁寧に治療内容の説明ができるか、どれだけ飼い主の話を真摯に聞くことができるかが大きく結果を左右します。
意外なのが次の7つ目である価格力です。
動物病院でも価格を気にする飼い主は多く存在しますが、一番重要なのは「価格/価値」をどれだけ最大化できるかです。
また、飼い主が求める価格とは、決して安い治療を求めているわけではありません。
明瞭な会計で、獣医師の先生や動物看護師がどのような治療内容を行ったのか、どういった効果が得られるのかを出来るだけ見える形にすることを求めています。
そのため、飼い主にとってわかりやすい明瞭な会計を心がけて、日々診療に励んで下さい。
そして最後が固定客化力です。
固定客化力は、どれだけリピーターを作れるかということですが、動物病院の場合は飼い主の転院率が他の医療機関に比べて小さい特性もあるので、あまり重要ではありません。
しかし、動物病院の経営を行う上で、非常に大切な力でもあるので、会員制度の導入や、スタッフの属人的なサービス内容など、飼い主に喜ばれるサービスを展開し続けて下さい。
まとめ
特に売上が3000万円未満の動物病院で病院の売上を維持もしくは、増加させたい動物病院の院長先生がおられましたら、
船井総合研究所の提唱する一番化戦略を実行して下さい
おさらいしておくと、一番化戦略とは、上から立地→規模→ストアロイヤリティー→商品力→販促力→接客力→価格力→固定客化力の順に一番化すると影響力があると言われています。
前述しました通り、業界全体としては様々な課題があるため、厳しい現状があると考えられております。
その中で業績を上げ続ける為に、上記の一番化戦略に取り組んでいただくと同時に、時流適応をさせながら経営を進めていくことをオススメします。
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