動物病院業界の業界動向・市場規模について
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目次
動物病院の業界動向・市場規模について
年々増えている動物病院の施設数
動物病院の施設数は、年々増加傾向です。下記グラフは、農林水産省が出している「飼育動物診療施設の開設届出状況」をまとめたものです。
飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数):農林水産省
青色の棒グラフが動物病院の施設数です。
黄色の折れ線グラフは動物病院の純増数を表しております。
動物病院の施設数の推移は、リーマンショックの前後で動きが異なります。
リーマンショック前の動物病院の純増数は、1年に約240施設ほど増えており、
リーマンショック後の動物病院の純増数は、1年に約200施設ほど増えております。
そして、2014年以降は1年間の動物病院の純増数が減少傾向です。
次に施設数の推移を考察します。
動物病院の施設数の推移としましては、いまだに右肩上がりというのは大きな特徴になります。
動物病院の施設数に関して、
純増数は減少傾向であるが、
動物病院の施設数に関しては未だに右肩上がりだということがわかりました。
それでは次に、犬と猫の飼育頭数の推移を振り返ります。
犬と猫の飼育頭数の推移
下記グラフをご確認いただけますでしょうか。
犬猫の飼育頭数は、ペットフード協会が毎年公表されている情報をグラフにいたしました。
青色の折れ線グラフが犬の飼育頭数の推移で、橙色の折れ線グラフが猫の飼育頭数を表しております。2015年と2017年に猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回りました。
上記のグラフから読み取れることは、年々犬の飼育頭数が右肩下がりで減少しているということです。
動物病院の施設数の推移と犬猫の飼育頭数の推移は、犬猫の飼育頭数は全体として減少傾向であるが、動物病院の施設数は増加傾向を表しております。
すなわち、1動物病院あたりの施設数が減少傾向であることが言えます。
次に市場規模の考察をします。
仮に市場規模の推移が横這いだとすると、動物病院の競争はかなり激しくなることが予想されます。
それでは次に動物病院業界の市場規模を振り返り、今後の未来予測を行います。
動物病院業界の市場規模の推移
下記グラフをご参照ください。
動物病院の市場規模の算出方法は、
統計局で定期的に配信されている
「(品目分類)第10表 年間収入五分位階級別1世帯当たり品目別支出金額及び購入頻度(総世帯)」の内容と、
農林水産省の方で公表されている動物病院の施設数を掛け合わせて算出しております。
上記のグラフからわかることは、動物病院は未だに基本的には右肩上がりとなっております。
すなわち、飼い主の動物病院への支出が増えていることが考えられます。
考察
動物病院業界は犬猫の飼育頭数が現象・横這い傾向です。そのような背景でも市場規模が伸びている要因としては、一人当たりの動物病院への支出額が増えることが影響しております。
そのような市場トレンドの中、動物病院の施設数は年々増えております。
結果として、市場ニーズを汲み取れない動物病院は外来数が減少し、市場ニーズを汲み取ることができる動物病院は、外来数も客単価も伸びる可能性が高いです。
今後、動物病院の中でも二極化が激しくなり、経営自体難しい状況になる動物病院は増えていくと予想されます。
対策
一番大切なことは、飼い主のニーズにしっかり応える努力をすることです。
下記に該当する項目がある場合は、もう少しだけ飼い主の求めるものを提供する必要があります。
・待合室に置いてある院内掲示物は1年以上同じものである
・緊急で新患が来ることはあるが、ほとんどかかりつけになってもらえない
・30代前半の若い飼い主がなかなか来ない
皆様は一つでも該当するものがございましたでしょうか。
もし、該当するものがあれば、変化を起こしてください。
これは、動物病院の売上を維持されたい院長先生も該当します。
これからの時代は飼い主のニーズに合わせようとして初めて現状維持です。
すなわち、変化を起こさなければ売上は下がります。
変化とは、飼い主の嗜好にどれだけ合わせることができるかを指します。
もし、これから動物病院を大きくしたいとお考えの院長先生がおられましたら
早期にマーケティングを実行してください。
マーケティングの具体的な内容は下記をご参照ください。
<出典>
・統計局
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